おうちしごと日報

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「オデュッセイア 上・下」

古典中の古典、ホメロスの「オデュッセイア」を読みました。

先日読んだ「カッサンドラ」がトロイア王女とトロイア陥落の物語だったことと、
そのあと読んだ「軽蔑」の主人公が
「オデュッセイア」映画化の脚本を書くの書かないのと騒いでいたので
どうしても読みたくなってしまって。

オデュッセイア〈上〉 (ワイド版岩波文庫)

ホメロス / 岩波書店


オデュッセイア〈下〉 (ワイド版岩波文庫)

ホメロス / 岩波書店


57/100

トロイア戦争に出征した英雄オデュッセウスが
様々な困難を経て故郷に帰る海の冒険物語、
という認識はあったのですが、
思った以上に面白かったです。

神や人の名にいちいち長い枕詞がついたり、
変わった慣用句が出てきたりと、
最初はすこし戸惑いますが、
怪物との戦いとか魔女との頭脳戦(?)とか
ドキドキしますよ。3000年の時は全然感じません。

ちょっと意外だったのは、
オデュッセウスってかなりずる賢い人物だったのね。
もちろん弓の名手でもあるんだけど、
力に任せて、とか、勢いで、みたいな勝ち方はせず、
作戦を考えて相手を欺いてやっつける、みたいなのが多かった。
それがまた面白いんだけれども。

訳も格調高くも読みやすく、
叙事詩というからにはリズムが胆であるはずなのですが
そのリズムもいい感じでした。

ただ、同じホメロスの「イリアス」は今のところ読む予定はありません。
多分「イリアス」は退屈だと思う。(笑)
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by yurinippo | 2010-08-30 22:54 | book

「六つの星星」

初・川上未映子さん。

六つの星星

川上 未映子 / 文藝春秋


56/100

一度読みたいと思っていたのですが、
いつも図書館では貸し出し中。
でもこの日は見つけました♪

6人との対談集で、いずれも川上さんの尊敬する
各界の専門家ってことで「六つの星星」。
よく勉強しているなあ、というか、
議論がすごくかみ合っていて、言葉のやりとりが気持ちいい。

とくに「生物と無生物の間」の福岡伸一氏との対話。
生命というものの流動性を蚊柱にたとえるとことか、
永井均氏とのニーチェに関する対話はすごい。

これはぜひ、小説も読まなくちゃ、と思いました。
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by yurinippo | 2010-08-30 22:24 | book

日帰り旅行 ~佐原~

銚子の帰り道、水郷・佐原に立ち寄りました。
一度行ってみたかったの。
(二女は小学校の遠足で来たことがあったのだけど)

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江戸風情の残る町並み。

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佐原に行ったら馬場本店の最上白味醂を買おうと思って。
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いろんな料理研究家の方が「これおいしい」とおっしゃっていたので。
これから使ってみますが、楽しみです。
料理上手になれるかしら。
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by yurinippo | 2010-08-23 17:32 | travel

日帰り旅行 ~銚子~

こんにちは。毎日ホント暑くてぐったりです。

足を怪我した夫がいるので遠くへは出かけられませんが、
車で2時間ほどの銚子へ行ってきました。

リハビリを兼ねて、はだしでお散歩。

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遠浅で波も穏やか、しかも空いててのんびりした海水浴場でした。

お隣は銚子マリーナ。
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犬吠埼灯台では水平線を見ようと思っていたのですが、
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残念ながら霧が立ち込めていて、視界が50mもない感じでした。
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ざっぱーん!

銚子沖は暖流と寒流のぶつかる一大漁場なのですが
それだけに海の難所でもあります。
さっきの海水浴場とは何キロと離れていないはずなのに、
冷たい風が吹いていて、波も荒かった。すごいなぁ。

尻尾の先が鮮やかな水色の、イトトンボがいて可愛かった。
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この後、銚子漁港そばのお魚料理店で
お刺身定食、まぐろ丼、海鮮丼をいただきました♪
お隣のテーブル見たらすっごくボリュームありそうだったので、
4人で3人前にしときましたが正解(笑)大盛りなんだもん。

さすが銚子、おさかなすごく新鮮でした!
海鮮丼についてきた岩ガキ、すごく大きくて美味しかった~~~
(例によって写真撮り忘れ…涙)

今年はイワシが豊漁だそうで、次に行くときはイワシ料理を食べようと
固く心に誓いました。

銚子、賑やかな大きな漁港もあるけれど
ちょっと車を走らせるとひなびた漁村の感もあり
いいところでした~。
次は水平線が見られますように!
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by yurinippo | 2010-08-21 18:19 | travel

「イノセント・ゲリラの祝祭」「極北クレイマー」

ちょうど良く同時に来たので、続けて読みました。

イノセント・ゲリラの祝祭

海堂 尊 / 宝島社


54/100

極北クレイマー

海堂 尊 / 朝日新聞出版


55/100

ほぼ同時期のお話みたいです。
どちらも、ますます舌鋒鋭く霞が関の医療行政を批判しています。

「イノセント・ゲリラの」のほうは、
久しぶりの田口・白鳥コンビ。
既得権益の保護にばかり腐心する事なかれ主義の厚労省と
頭の固い法曹界と、
学会の縄張り争いばかり気にする医学者、
それから医師への敵意をむき出しにする、医療事故(事件)被害者代表。
がメンバーの会議に出る田口センセかわいそう。

それぞれにももちろん言い分があるのでしょうから、
矛盾を感じながらも最後のところ、スカッとしました。

日ごろ、お役所相手の書類作って細かいところで引っかかって
なかなか先に進めない…みたいなのに悩まされてる身としては
拍手喝采したいところでした(笑)

「極北」のほうも、出番はすくないものの、
姫宮の天然っぷりがとても可笑しい。姫宮好きだなぁ(笑)

深刻な問題を取り扱ってはいますが
楽しいエンターテイメント小説、という原則は崩れないのが素晴らしい。
その先がどうなるのか、本当に楽しみです。
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by yurinippo | 2010-08-19 18:37 | book

「チョコレート・アンダーグラウンド」

チョコレートが無性に食べたくなります。

チョコレート・アンダーグラウンド

アレックス シアラー / 求龍堂


53/100

子どもの本ではありますが
「チョコレート」を「自由」と読み替えると
冷や汗が出るかも。

人間、本当に深刻な事態になるまでは自分から動こうとせず、
深刻な事態になったときにはもう手遅れ。

子どもたちの知恵と勇気と反骨精神に拍手!です。

夏休みの読書感想文、まだ本も読んでない小中学生のみなさん!(笑)
これ、いいですよ~。
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by yurinippo | 2010-08-19 18:17 | book

「借りぐらしのアリエッティ」

珍しく、家族四人の観たい映画が一致しました。
「借りぐらしのアリエッティ」

私は予告編で見たあのきれいなお庭の風景だけでも
スクリーンで見れたらいいだろうな~と思って。

娘は音楽が気に入ったみたいで。

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古いお家がとにかくいい感じ。
お庭のお花畑も。

それから小人たちの暮らしぶりが可愛らしい。
アリエッティのお家もさることながら、
小さなポットからお茶をカップに注ぐときに、
表面張力が強くて「ぽたっ」って感じになったりするのが
ホント細かくて、面白いなぁと思いました。

あと、虫。
こおろぎとかだんご虫が何であんなに可愛いんだろうね。

などなど、
私たちの見慣れたものが小人目線だとすごい新鮮!

今回、ストーリーはものすごくシンプルで、
メッセージ性も薄いです。

『滅びゆく種族』がなんたらという台詞も出てきますが
あれは病弱な少年のナイーブさを示すだけで、
住めなくなってしまった家を捨てて引っ越す、という
アリエッティたちの極めて現実的な行動に
そんな大げさな意味を持たせるもんではないですし。

あえて言うなら「人生とは生活のことだ」かな。

なんといっても一番の魅力は、
小人の目からみた素敵なお庭とお家と小道具♪
もしこれから映画館に行かれる方がいたら
すみからすみまでよーく見てみてね!


こんな展覧会もやってるの。行きたいなぁ~!
http://www.ntv.co.jp/karigurashi/index.html
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by yurinippo | 2010-08-15 18:29 | movie

「マイトレイ/軽蔑」

蒸し暑いですねぇ。

訳あって旅行へも行けず気晴らしもできず、
家に家族がいても宿題も手伝いもせずそれぞれに勝手なことをしてるうえに、
私一人こいつらの世話をしなくちゃいけないのはあまりに精神衛生上良くないので
強硬手段にうったえ「お母さんも夏休み」宣言をしたところ、
食事の支度や片付け、掃除機がけくらいは3人で何とかしているものの、
やはりマネジメント的家事が残る。

・今日はゴミ出しがたくさんあるから少し早起きしなくちゃ、とか
・冷蔵庫のあれを早く使いたいのだ、とか
・映画に行くなら時間を調べて間に合うように家を出る、あとお金も下ろさなきゃ、
みたいな部分ができないのだねぇ。
主婦業に完全休養というのは無理なのか。

しかし任せた以上、もう知らんぷりをするしかない。
家の中がめちゃくちゃになろうが知ったことか!
しかし後のことを考えると気が滅入って休養どころではない。
なるべくこのカオスを目に入れないようにするために
私は本読んで暮らします。

マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

アルべルト・モラヴィア / 河出書房新社


52/100

ブクログのほうに先に感想書いてしまったので
ほとんど引き写しで失礼します。。。

「マイトレイ」:
ヨーロッパからインドにやってきたインテリ青年と
インド上流社会の深窓の令嬢。
恋に落ちるの「落ちる」が自由落下であるならば、
落下物(アラン)の対象(マイトレイ)への距離が大きいほど
加速度が加わって激突するときの衝撃が大きくなるのは自明の理。

エリアーデはその激突の後遺症として宗教学を極めたのではあるまいか?
なんて言ったらロマンチックすぎ?

「軽蔑」:
小さな思い違い(と夫が思うもの)が重なって修復不可能になる夫婦。
このすれ違いは非常にリアル。
程度の差こそあれどんな夫婦にもあるのだから、
特に男の人は結婚する前に読んどくべき。
というか読んでおいてほしい。
でも女の人も、夫の鈍感さとか、気持ちの伝わらなさへの覚悟のために
読んどくべきなのかもしれない。

著者モラヴィアの最初の妻は「アルトゥーロの島」のモランテ。
そしてこの物語のヒロインのモデル。
モランテの側から見た結婚生活、なんてのも読んでみたいような。
(悪趣味だね、私)

「マイトレイ」はどちらかというと進行形の恋愛に、
「軽蔑」は愛の崩壊にスポットライトが当てられているのですが
どちらも男性目線から書かれており、
しかもその愛の喪失後の姿が驚くほど似通っている点、
かように苦しんでおられる主人公氏たちには申し訳ないんだけれども、
とても面白いです。
(やっぱり悪趣味だわ…)
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by yurinippo | 2010-08-13 18:17 | book

「南鳥島特別航路」

夏ですもの、気分だけでも旅に出たい。

南鳥島特別航路 (新潮文庫)

池澤 夏樹 / 新潮社


51/100

さて、ここで問題です。

南鳥島は、次のうちどれでしょう。

1.日本の最北端
2.日本の最南端
3.日本の最東端
4.日本の最西端

答えは…
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by yurinippo | 2010-08-12 10:26 | book

「失踪者/カッサンドラ」

久しぶりに更新したと思ったら、また本の話で申し訳ない。

失踪者/カッサンドラ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-2)

フランツ カフカ / 河出書房新社


50/100 (やっと半分かぁ…)

何となく「暗くてよく解らない」印象のカフカだったのですが、
この『失踪者』の印象はドタバタ喜劇そのもの。

主人公のカール少年がヨーロッパからアメリカへ追いやられ、
次から次へと騒ぎに巻き込まれて行くのです。

はっきり言って面白いです。

自分が行きたいほうへ行こうと頑張れば頑張るほど
望まない方向へ流れて行ってしまう、なんてのも
他人事として読むから面白いんであって、
自分の身に降りかかったら怖いけどな。

ここに描かれるアメリカ、すごくリアルな感じなのですが、
カフカ自身はアメリカに行ったことないって言うじゃありませんか。
すごいな、カフカ。

カフカっつったら、ある日芋虫になってしまう「変身」くらいしか知らない人
(わしじゃ)
なんて、読むといいと思います。


もう一つの『カッサンドラ』、これも面白かった。
ギリシャに滅ぼされたトロイアの、
美しく賢い王女カッサンドラ。
未来を予見できる彼女が、自らの終焉の地ミュケナイでの
死を目前にしての回想、それを語るお話です。

これもねぇ。
現代でこういう生きにくさを抱えてる女性、すごく多いと思うんですよ。
女性に限りませんが、でも女性のが多分共感できる。

正しいことを主張すると疎まれる。
彼女は未来を予見できるので、彼女が正しいって言ったら正しいんですよ。
でもそれを父王や兄に進言すると、彼らを傷つけることになる。
→でも、言わないわけにはいかない。だから言う。
→無視される、連れ出される、幽閉される。

ま、幽閉までは行かなくても、ありがちですよねー。

それから、
自分たちの誇りを貫いて、結果として死んでしまうのがいいのか。
それとも何が何でも生き延びるのがいいのか。
という問題。

勝利を続けるとその先にあるのは滅亡である。
(古今東西の帝国は全てこのパターンで滅びてますが。)
それを分かって、自分たちが存在し続けるために
勝つことをあきらめることができるのか。
という問題。
サステナビリティってやつですな。

舞台は古代ギリシャのほとんど神話の世界なのですが
提起される問題は極めて現代的でした。

高校生以上の、読書感想文とかにいかがでしょう?

作者のクリスタ・ヴォルフが旧東ドイツでずっと書いてきた
ということも意識すると、いくらでも面白いこと書けそうですね。
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by yurinippo | 2010-08-09 17:45 | book