おうちしごと日報

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「月と六ペンス」

モームっていうと学生時代の英文和訳のイメージだったのですが
(今でもそうなのかしら?)
そのイメージのせいか、実はちゃんと読んだことなかったんですよ、わたし。

月と六ペンス (新潮文庫)

サマセット・モーム / 新潮社

4/100

英文和訳、が頭にこびりついているからそう思うのかもしれないですけど
この訳(中野好夫訳)、素晴らしいですね。
格調高いのに読みやすい。翻訳っぽさをほとんど感じません。

モームがゴーギャンの伝記にインスパイアされて書いたということで、
ストリックランドという株式仲買人が芸術に取りつかれてタヒチで死ぬまで
知人である作家の「僕」の視点から描いたもの。
借りてきた昔の文庫本、字が細かくて参りましたが
面白すぎて途中で止められず、、、ホント目が疲れました。

元株式仲買人、タヒチ、というキーワードはゴーギャンのものって気がしますけど
ストリックランドの人格がどこまでゴーギャンなのかは私にはわかりません。
天才の苦悩なんて月並みな言葉じゃ全然わからないです、このストリックランドという男。
ロンドンやパリで関わった女たちにとっては迷惑千万どころではありません。

でもこの分からなさ加減がよいのでしょう。
彼の事は全然好きになれないけれど、
最後、タヒチ島の奥深く、死と同時に完成する壮絶な壁画の場面は圧巻です。

100年前に書かれたとは到底思えない面白さ。
芸術の追求って普遍的なテーマなのですねぇ。
(…すごく感動したのに、何なんだ、この月並みなまとめ方は…)

今年、ゴーギャン展が開催されるんです。
「我々はどこから来たのか」が来るらしい。見に行こうっと♪
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by yurinippo | 2009-01-08 18:01 | book