おうちしごと日報

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「ぐるりのこと」

先日↓の記事に書いた「麦の海に沈む果実」は図書館で借りた本なのだけど
ピンクや黄緑や水色の色鉛筆で、あちこち傍線が引いてあったの。
前に借りていった誰かが、おそらく感想文書くために引いたのだろうけど。

今までも、鉛筆で薄く線が引いてあったり、ページに飲み物こぼした跡があったりと
(よくいえば)大勢の人が読んだ形跡のある本はたくさんあったけど
これだけ堂々と線を引いてある本は初めて。

しかも、その線の引いてある個所が、ポイントを外しているとは言わないまでも
最初と最後の章に集中していて、
しかも味わい深い文章というわけでもなく説明部分みたいなとこばかりだったので
「ああー、読み込まずにテキトーに引いたわね」みたいな感じが一目瞭然。

読むのに邪魔なことこの上ないし、
線引いた人のマナーと読書レベルの低さも露呈するし、
お願いだから図書館の本に線引くのやめてください。
どうしても線引きたかったら、自分で買ってください。


…と毒づいたところで。

次はとても状態の良い本でほっと一安心。

ぐるりのこと
梨木 香歩 / / 新潮社
ISBN : 4104299049


梨木香歩さんはエッセイもいいのよねー。
この本、名文だらけなので、思わずカラフルな色えんぴつで線引きたくなったよ。
(おいおい!)

「ぐるりのこと」=身の回りのこと、をいちいち深く考えることによって
世界とつながっていくその態度が素晴らしいと思う。
私などは、どうしても身の回りのことと、世界で起きていることが
地続きだという実感が持てないでいるから。頭では分かっていても。

私は梨木さんの物語世界の、たとえば「沼地のある森を抜けて」でイメージされるような
多様性とか豊穣とか混沌、みたいな言葉にめっぽう弱いのですが
一方、物事をシンプルに把握したい、「明晰性」へのあこがれも強いのです。

だから、それらをお話の中で同時に実現している梨木さんの本が
大好きなのだなーと、この本を読んで分かりました。
梨木さんも、この本の中でご自身の「多様性を生きる」生き方にもかかわらず
「明晰性」に強く惹かれるとかいておられますし。


あと、この本に登場したサイードの「オリエンタリズム」を
読もうと思って読んでなかったのを思い出しました…。読まなきゃ。

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by yurinippo | 2008-07-16 16:39 | book