おうちしごと日報

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「新世界より」

クリムゾンの迷宮」「青の炎」「黒い家」に続いて
貴志祐介さんを読むのはこれが4冊目です。

新世界より 上
貴志 祐介 / / 講談社
ISBN : 4062143232

新世界より 下
貴志 祐介 / / 講談社
ISBN : 4062143240


今まで読んだ貴志祐介作品はどれも、
読み始めると途中で止められなくなって一気読み、というパターンが多いのだけど
これはちとボリュームがありすぎて、さすがに上下巻3日かかりました。

ずっと未来の話、人類が科学技術ではなく、
無限のエネルギーを持つ「呪力」に頼る社会をつくって暮らしています。
一見平和に思えた社会ですが…。

人間とバケネズミとの関わりは、我々と動物や異文化との関わりの、
強大な「呪力」とその抑止力である生理反応は、
戦争における兵器バランスの暗喩であるように、
このかなり突飛な設定の世界が、我々の現実世界の鏡像であることは間違いないのですが。

ここまで大風呂敷を広げてしまったら、とても上下2巻では収束できないのではと
心配になりました。
結局なんとか収束したのですけどね。

でもせっかくこれを書くなら、5巻くらい使ってじっくり書いてもらいたかったなー。
主人公2人の、そして人類の行方をもう少し知りたかった。

後半、人間性の通じない(と信じられている)敵を置くことによって
自らの獣性をあぶりだす手法は、小野不由美さんの「屍鬼」を思い出しました。

面白かったし読み応えもあったのに、物足りなさを感じてしまう読後感。
なんだかすごくもったいないなー、という気がしました。

20/100
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by yurinippo | 2008-04-03 13:39 | book