おうちしごと日報

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「風に舞いあがるビニールシート」

芥川賞、芥川賞ときて直木賞。

風に舞いあがるビニールシート
森 絵都 / / 文藝春秋


6編からなる短編集。
どれも精緻な文章に好感を持てる、とても良い作品でしたが
特に表題作はその高さと深さにおいてほかのを圧倒していました。

森絵都さんは「いつかパラソルの下で」以来、私が読むのは2冊目ですが
悪人が出てこないのが良いですね。

別に、いい人ばかりのぬるま湯的人間関係を描いているわけではなくて
むしろその対極。
自分と相性が悪い人がいたとしても、相手を悪人と決め付けるのではなく
自分で引き受けて努力して理解して相手に近づいていく姿勢がとにかく素晴らしい。

人との関係の悪化を、相手のせいにして逃げるのはたやすいけれど
では自分は一体どこまでやったのか。
どこまでやったら許されるのか、諦めきれるのか。

深く悩み傷つき、一生懸命やったひとだけが到達できる世界なのですね。

7/100
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by yurinippo | 2008-02-08 16:40 | book