おうちしごと日報

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「村田エフェンディ滞土録」

ずいぶん前にayakoさんにいただいて読んでいたのに
感想を書いていなかったことに今気づきました…。
もう一回読む。そして感想を書く。

村田エフェンディ滞土録 (角川文庫 な 48-1)
梨木 香歩 / / 角川書店
ISBN : 4043853017

東西文明のぶつかり合う地、トルコ(土耳古)へ
100年と少し前、一人の日本人が考古学研究のために留学した。

同じ下宿に暮らす、民族も宗教も異なる青年たち、下宿の女主人、奴隷、鸚鵡…
文化は違えどもお互いを尊敬しあう関係は、以前に読んだ
「春になったら苺を摘みに」の中の
「理解は出来ないが受け入れる」と言う言葉をそのまま小説にしたようでもあります。

また、私のお気に入りの一冊「家守綺譚」と一部つながっていて、
しかも不思議なことを恐れすぎず信じすぎず、
あるがままに受け入れていく村田と綿貫は確かに共通点が多いです。

時代に翻弄され、戦争に駆り出される友人たち。
ラストでは涙があふれました。。。

100年前のトルコという、時間も場所も遠くはなれたところが舞台なのに
まさにこれは、現代に生きる私たちのお話です。


余談ですが、日本に帰ってきてからの村田の処遇、というか
大学内での立場…これそのまま今の大学のことみたい。
研究の内容よりも政治力のあるほうが出世し
若い頭脳が研究に十分に実力を発揮できずに雑用で疲れ果ててしまう。
大学と言う組織がいかに旧態依然なものか…
なんだか深く村田に同情しました。

109/100
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by yurinippo | 2007-12-17 13:57 | book