おうちしごと日報

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「少し変わった子あります」

少し変わった森博嗣さん、あります。

少し変わった子あります
森 博嗣 / / 文藝春秋

どうも今まで苦手だった森博嗣さん(といってもまだ2冊…これで3冊目)。
苦手だったのはどこかと考えてみると、
主人公が理知的過ぎて人間味が感じられないとこかも。
他者の影響をほとんど受けない、ゆるぎない人物、ていうか。
緻密に組み立てられたミステリーにはその種の頭のいい人が不可欠なのかも知れませんが
キャラクターの魅力っていうのも(私にとっては)大事なのです。

この本に出てくるのも、一見そんな感じの、大学の先生。
毎日事務局から送られてくる添付ファイルつきの無礼な電子メールに辟易する場面に
思わず苦笑。(そのメール送りつけるのがわたしの仕事…えへへ)

ところが同僚に紹介された奇妙な料理店に通ううち
そこで若い女性たちと食事を共にするうち(ホントに一回だけ一緒に食事するだけ)
孤独の深遠をのぞいてしまい…というお話。
緻密なトリックやすごい謎解きなどは出てきませんが、最後はかなりぞっとします。

この女性たちはいかにも素人くさいが、食べる姿がものすごく上品で美しいらしい。
やはり食べる姿って大事かもしれないねーーー。と妙に納得。…ではなくて

クールな人物の、鏡のように凪ぎ渡った心の水面に波を立てるのを見たり
ゆるぎないと思っていた人が、少し触っただけでグラグラと揺れたりすると
妙にぐっと来ませんか?(わたしだけ?笑)
そういうわけで、今回のこの主人公は、すこし好きになれそうな気がする。(笑)

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by yurinippo | 2007-05-13 12:33 | book