おうちしごと日報

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「太平洋の防波堤/愛人ラマン/悲しみよこんにちは」

…3冊って数えちゃダメかな。(笑)

太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4)

フランソワーズ・サガン / 河出書房新社


90/100

ちょっと読む順番が前後してますが、
「池澤夏樹個人編集=世界文学全集」の第4巻です。
フランス女流文学の3作品が収められています。
共通点は少女の性、かな。それだけがテーマじゃないけど。

この3つ、恥ずかしながらどれも初めて読みました。
最初の2つ、「太平洋の防波堤」と「愛人 ラマン」は
マルグリット・デュラスの作品。
「愛人 ラマン」のほうは何となくあらすじ知ってました。
映画になっていたはず。見てないけど。
華僑の富豪とフランス人入植者の少女との愛@仏領インドシナ
という情報は、間違ってはいないんだけど本質ではないのよねー。

「太平洋の防波堤」を読ませてから「愛人 ラマン」を読む、ってのが
池澤夏樹さんの意図したことなのでしょうね。
だってこれ、
「流れゆくエクリチュール」が一体何なのかを知らないで読んだら、
「愛人 ラマン」てただのエロ本ではないですか。

仏領インドシナにおける最底辺のフランス人入植者の貧しさ、
さらには現地の住民のさらに悲惨な生活、
植民地政府の欺瞞と腐敗。
て言うのが根底にあって初めて、この少女たちの自由への渇望、
この母たちの富への渇望というのが理解できるのではないですか。

私にも少女期というのはあったはずなんだけれども、
今となっては母親のほうにシンパシーを感じてしまって苦笑。

「悲しみよ こんにちは」のほうは
美しく残酷で移り気なヒロインの少女に多少の恐怖を覚えつつ、
しかもこれを書いたのが10代の少女であったことにますます戦慄を覚えつつ、
なんとか読み終えました。

作品を読むと、ストイックな印象を受けるデュラスと、
奔放な雰囲気のサガン。
それなのに年表を見ると、結構この二人、
似たような人生を送っているのが興味深かったです。
たくさんの男性とたくさんのアルコール。
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by yurinippo | 2009-12-07 17:19 | book