おうちしごと日報

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「戦場の画家」

(ネタばれあり)

各地で続く紛争、その写真を撮り続けた元戦争カメラマン。
数多の戦争の中に隠された法則体系(対称性"シンメトリー"と作中では呼ばれている)
を、地中海に面した望楼の壁画として再現する彼の前に
以前、彼の受賞作の被写体となった元クロアチア民兵が現れる…

戦場の画家 (集英社文庫)

アルトゥーロ ペレス・レベルテ / 集英社


27/100

今年になってから、わたし結構硬派な本読んでると思いません?

冒頭の元カメラマンを、元クロアチア民兵は殺すと宣言するのですが
その緊張関係が次第に、戦場の真の姿を知る同志として
あるいは最愛の者を失った同志としての2人に変化していくところ。

元カメラマンはその壁画を構想するに当たり
古今の戦争画を見て歩くので、
いつの間にか読者も美術史や絵画技法に詳しくなっているところ。

戦場はあまりに血なまぐさく、
死んだ愛人はあまりに美しく官能的。
映画化されたらどうしよう。見たいような見たくないような。
でも作中の壁画は見てみたい。
(『月と六ペンス』のストリックランドの壁画も見たい!)

なんて書いたらいいのか分からないけれど、
今この私の立っている場所と地続きに、戦場が存在するっていうのを
理解するためには想像力だけでは限界があるのでしょうね。
本当に見たものだけが知る戦争の姿。

アルトゥーロ ペレス・レベルテ氏は作家になる前
戦争ジャーナリストとしての経験を持つそうです。
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by yurinippo | 2009-05-06 18:29 | book