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おうちしごと日報

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「また会う日まで」

長編が読みたくなって。

また会う日まで 上

ジョン・アーヴィング / 新潮社


また会う日まで 下

ジョン・アーヴィング / 新潮社


5/100

「ガープの世界」や「ホテルニューハンプシャー」など、
名前は知っていても読んだことなかったアーヴィング。初めて読んでみました。

自伝的小説ってことで、
これを書くのは本当に大変だったろうなぁ、というのが読み終わっての感想。






(このあと、かなりネタばれ気味なので、
これから読もうと思っている方はご注意ください。)

前半、どうも主人公ジャックに感情移入できなくて困ったのが一つ。
たとえば、「男の子はあまり可愛い顔に生まれつくと大変である」とか
「幼少期に性的虐待を受けると長じてひどい女たらしになる」とか
さもそれが当たり前のように描かれて
「そういうものなのかなぁ???」と納得しきれないまま読まなきゃいけないこととか。

父を追ってヨーロッパを旅して歩く母と幼いジャック。
実際にはジャックの記憶は事実と違っていたのです。
この母の気持ちを、私はわかる、とは言わないまでもあり得ることだと
私は思うのですが、
ジャックが、自分の母が、子供のころ思っていたより複雑な女だったからと言って
それほど毛嫌いすることはないんじゃないかしら。
(と、これは母の立場での意見ですけどね…^^;)

幼馴染の年上の女、エマの存在が途中すごい救いになっていると思うので
ラスト、父との再会場面にそれほど感動もしなかったなぁ…。
物語としてはそこがクライマックスだったと思うけど。
私はエマがいいと思います。エマ万歳!


読んでいて、なんとなくこういう話知ってるような。なんだっけ??
…と思っていたのですが、裏表紙のカバーの所に
「現代のディケンズと評される」と書いてあるのを見て疑問が氷解。

ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」(手品師じゃないよん)
を読んだときと同じような読み心地かしら。

面白いような、退屈なような、波瀾万丈、でも最終的には救われる、みたいな。(笑)
by yurinippo | 2009-01-21 14:17 | book