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おうちしごと日報

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「いつかパラソルの下で」

子供が学校からもらってくる「図書館だより」とかでよく紹介されているので
森絵都さんて、てっきり子供向けの本を書く人だと思っていたのですが、
この本は絶対大人向けだ、と最初の1ページで確信したので(笑)
ちょっと借りて読んでみました。

あ、でも「風に舞い上がるビニールシート」は直木賞を取っているので
子供向けばかりでもないのよね。

いつかパラソルの下で
森 絵都 / / 角川書店
ISBN : 4048735896


厳格すぎる父が浮気をしていた?
父親の死後、浮上した疑惑を追いかけるべく3人兄妹は父の故郷、佐渡へと旅をする。
3人それぞれに、厳しすぎた父への反感から何かしらのコンプレックスを抱えていて
でも父を知るにつれ、父のせいではなく自分のものとして引き受けていく。

ええーっとこれは、「光って見えるもの、あれは」(川上弘美)とか
あとなんだろう、似たような話があったかも…と思うのだけど。

軽快な会話のテンポであっという間に読めてしまうし
爽やかに希望を持たせて終わるところが上手いなぁとおもう。
「自分がこんななのは親にあんな育て方をされたせい。」と
思い続けて大人になる人ってけっこう多いのかもしれないけど
やはりどこかで自分のものとして引き受けなきゃいけないのよねぇ。

そういや先日atomさんに「アメリカインディアンの教え 」という本を頂いたのだけど、
実はものすごく前に(10年以上前)読んだことがあった本で、
でもちっとも中身を覚えていなかったの。
読んだ当時に心に引っかかったところがなかったってことは
私自身はきっと問題なく育てられて大きくなったのだろうと想像したのだけど
親となった今、読んでみると、子供時代にどんな育てられ方をしたかが
その後の人生に決定的な(マイナスの)影響を与えてしまうようなことが書いてあって
ちょっと震え上がったりもしたのです。

でそのあと「いつかパラソルの下へ」を読んだので、
こんなめちゃめちゃな育てられ方をしても、大人になってからちゃんと回復可能じゃん!
と、ほっと胸をなでおろしたのでした。
まあ、これは小説だけれども。(笑)

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by yurinippo | 2007-08-18 11:49 | book