おうちしごと日報

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「アメリカの鳥」

あーこの主人公ピーターの気持ちすごい分かるーーー!

アメリカの鳥 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集2)

メアリー・マッカーシー / 河出書房新社


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音楽家の母をもつ内気な青年ピーターは、
第二次世界大戦直後のアメリカで生まれ、
19歳でパリに留学。
ベトナム戦争が影を落とす中、
カントの定説「他者は常に究極の目的である」
(他人を手段として利用しちゃいけないよってこと)を信条として、
内気ながらも誠実に人々との交流を深めようとする彼には
とても好感を覚えます。

しかしこう、外国にいると、自分の生まれた国を
好きになったり嫌いになったりするよね~、ほんとに。
彼にもアメリカの好きな部分と嫌いな部分はあるのだけど、
ちょうどこのころ、好きな部分(鳥とか植物とかの大自然や伝統的アメリカの生活)が次々に姿を消して、
嫌いな部分(物質文明、浪費癖、力を見せびらかすこと)が大きくなる時期でもあり、
それに関しては不幸だったと言えなくもないけど。

しかも、このころのパリ、汚すぎる!行きたくなさすぎる!!(笑)
もちろん今は全然違うとは思いますが…
一方イタリアがすごくいいところに書いてあるので
これ読むと断然イタリアに行きたくなるね。


題名の「アメリカの鳥」だけど、
これは鳥類学者(で良いのかな?)オーデュボンが書いた図版入りの大判鳥類図鑑のタイトルだそうです。
それ欲しい!(笑)
オーデュボンといえば、先日手賀沼のほとりの「鳥の博物館」に行ったとき、
「オーデュボン協会」というアメリカの環境保護団体があるのを知ったのですが、
もうすでにこの本の中にオーデュボン協会出てきてるのね。

(鳥の博物館で聞いたところによると手賀沼もなかなかに野鳥の宝庫であるらしく、
冬になったらまた北からの渡り鳥を見に行こうかな~とも思っています。)

と話は脱線しましたが、
自分の中にある大切なものを守ることが周囲の幸せにつながるような、
そういう規範を持つ(たとえばピーターにとってのカントみたいな)ことって、
若いころには理想だったんだけど、最近じゃすっかり忘れていたよなぁ。

この物語はアメリカがベトナム戦争で北爆を開始した年に終わっているのですが
ピーターがどんな大人になっているのか、すごく知りたいです。
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by yurinippo | 2010-09-04 08:28 | book